ヨガ歴が長い方なら一度は目にしたことのあるヨガの実技辞典、『ハタヨガの真髄 B・K・S・アイアンガー』。そこには、“サルヴァンガーサナ(ショルダースタンド)はすべてのヨガのポーズの母である。”と記されています。この由来は、きっと家庭における母親の役目は家族全てのメンバーがハッピーでいられるように調和を保つことであることからきているのでしょうね。
サンスクリット語でサルヴァは“全て”、アンガは“内臓”という意味。我々人間の体の全ての臓器を整えてくれるポーズということなのでしょう。アイアンガー氏はこのポーズを薬に例えると万能薬に値する重要なポーズだ!!と強調していました。
ヨガのクラスの最後の方にとる、最高に気持ちの良いこのポーズ、具体的にはどのようなメリットがあるのか見ていきましょう。
1. 消化を助ける
体を逆さまにすることで、重力が日常生活時とは反対に体に働きかけることで腸が大きく動き、腸を圧迫から解放してくれます。(確かに!このポーズをしている途中でお腹がゴロゴロ鳴るのをみなさんも経験したことあるのではないでしょうか?レッスンの途中でトイレに。。。と退席された生徒さんも何人もいます!)
2. 心臓への負担を軽減
これも1と同じ理由で、心臓をいつもとは反対の位置でキープすることで血流を促すために絶えず働き続けている心臓を休めることができるのです。
3. 免疫機能のUP
我々の免疫機能で大きな役目を果たしてくれているのがリンパ。これも体が逆さになることでリンパシステムに刺激を与えることで、その働きを活性化してくれるというもの。
4. 頭痛、鼻づまりを軽減
このポーズをとっている時、あごはしっかりと胸に引き入れ、後頭部は床に安定させます。それにより、鼻づまりを和らげ、頭部への血液供給が上手く調節されるのです。
5. 自己肯定感を高めてくれる
もちろんこのポーズだけの練習により自己肯定感が高まることはないですが、プラクティスの最後の方にこのポーズを必ず練習することで “私は私のままでいいのだ!”というフィーリングに包まれます。
6. 交感神経のバランスを整える
特に激しい練習をした後の方にこのポーズを取り入れることで、神経がなだめられ、イライラ、短気、鬱、不眠を解消してくれます。
7. 上半身が鍛えられる
上記の内臓へのメリットのほかに、首、背中、肩を強化するという身体的なメリットももちろんあります。
というわけで、アイアンガー氏が言っていたように、ここで文字では表現しきれないほどメリットがあるこのポーズ。時間のないときはこのポーズだけでも!と私も生徒さんたちに薦めています。次回はこのショルダースタンドのやり方(軽減法を取り入れながら)、注意点を具体的にお話しさせていただきたく思います。
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