子育て中のお母さんは、やることがたくさんあって大忙し。そんな中、なかなか子どもは思い通りに動いてくれません。そんな日常茶飯事なのでストレスもたまりやすく、怒りたくないのについ子どもに大きな声を上げてしまい、後から言い過ぎた…と落ち込むことも多々あります。そんなお母さんたちにヨガが役に立つかもしれません。
まず、なぜストレスに感じることが多いのでしょう。大きな原因の一つとして、自分の思い通りに事が進まないことが挙げられます。ちょっとした料理の準備も、子どもに手がかかり進まなかったり、自分の生活の当たり前のこと、例えばトイレで用を足す、ご飯を座ってゆっくり食べる、布団で横になってぐっすり眠る…などが妨げられてしまうことがたびたびあります。私も経験があるのでよくわかりますが、今まで当たり前にできていたことができなくなるのは、結構ストレスを感じるものです。子どもの行動もまさにそうですね。道路をまっすぐ歩いてほしいと思っても、何かに気を取られるといきなり方向転換し飛び出したり、静かにしていてほしい交通機関などで機嫌を損ね大声で泣き出したりと挙げればきりがありません!
なぜ、予想外の子どもの行動にイライラさせられるのでしょうか?私たち大人はついつい、子どもの行動をコントロールしようとしてしまいます。今はこうしてほしい、ここではこうあるべきだ。そういった考えに執着してしまいがちなのですが、なかなか子どもたちは一筋縄ではいきません。いっそ、その執着をいったん手放してみると案外うまくいくことも多いです。もちろん社会規範を教えることは大切なことですが、その上でしなければならないと考えていたことを手放してみるとお互いに気持ちよく過ごせたりします。
例えば、晩御飯の準備中に子どもが駄々をこね、そちらに手がかかると中断してしまうことで準備が遅れる場面があったとしましょう。遅れることによってストレスを感じますが、予定通り準備をしなければいけないと思いイライラしながら中途半端に相手するよりも、いっそ予定の時間はあきらめ子どもに徹底的に付き合ってみると意外と早く相手の気は済み、準備を再開できるかもしれません。または、晩御飯の準備をしなければいけない、という考えすら一回手放してみるというのも手かもしれません。ありあわせのものを食べたり、宅配を頼むなどもできますね。
私たちは知らず知らずのうちに毎日の習慣や社会の価値観にがんじがらめになり、こうしなければいけない、ああしなければいけないと執着してしまうことがあります。いいお母さんでなければいけない、手作りの料理を食べさせなければならない…挙げればきりがありません。ですが、それは絶対に必要なことでしょうか?自分にとって何が必要で、何が必要でないのかをしっかりと考え、見極めていくことはヨガの大切なエッセンスです。
そのエッセンスは子育てや子どもに対してだけでなくそのほかの対人関係にも生きていくはずです。自分で勝手にこうしなければいけないと決めつけていた枠組みに相手を当てはめることは、とても難しいことです。どんな相手もコントロールすることなんてできないのです。できたとしてもそれはとても窮屈な関係性です。相手をコントロールすることや、執着していた枠組みを手放していけば、お互いに心地よく過ごすことができます。ひとつひとつニュートラルな視点で物事を見てみましょう。今まで気づかなかった視点が得られるかもしれません。
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