みなさんはどれだけ自分のことを知っていますか?自分の特性をどれだけ把握しているでしょうか?自分ではこう思っていたけど、他人に言われてあらためて気づくこともありますね。当たり前に知っているつもりでも、案外気が付いていないところもあったりするものです。自分を知ることはヨガの目的の一つでもあります。より自分を知るためにどのようにしていけばよいでしょうか?
実は自分の特性を把握するのにとてもいい身近な機会があります。日常の中で感情が動いた時です。怒ったとき、悲しいとき、楽しいときなど、どんな時にどんな感情を抱くのかを感じてみましょう。そこには癖が現れます。思考の癖です。例えば、時間を守らないことにイライラする、部屋が散らかっていることにイライラする、など感情の動くポイントは人それぞれ異なります。自分の思考の癖を把握することは自分をより快適な状態に導くのに大切な作業です。思考の癖がわかると事前に好ましくない感情に揺り動かされることを避けることができます。時間を守らないことにイライラする人だったら、時間をしっかり守れるようにスケジューリングを組めばいいのです。部屋が散らかっていることにイライラする人は部屋が散らからないように収納を増やすなど対応できますね。好ましくない感情の動きを予測できれば事前にその状況を避ければいいだけですから、いつもイライラする特定の人がいればその人と関わらないようにすることが解決策になるわけです。このように自分の性質に合わせて自分で日常を選択していくことができます。それがうまくできれば毎日気持ちがよく過ごすことができますね。
自分の性質を知ったうえで、今まさにやっていることを、なぜ、何のためにやっていて、何を目的にしているのかについても考えてみましょう。
自分のスタンドポイントを知る作業です。私たちは日常の中でいろいろなことをします。生活のことや社会的な役割など様々立場を負いながらそれぞれのシチュエーションに合わせた働きをしています。それを何のためにやっているのかを見定めていくことは、自分がこれからどう進むべきなのかを理解することにもつながります。今やっている仕事はお金のためなのか、スキルアップのためなのか、地位を上げるためのものなのか、お金を貯めるのは何かを買うためなのか、自分のスキルや地位を上げるのは誰かに認められたいからなのか、それとも自分に自信を持つためなのか、など掘り下げてみましょう。自分では考えてもみなかった自分の奥底の考えに気づくきっかけになるかもしれません。今やっていること、進んでいる道の目的地がわからずにやみくもに進んでいくことは、ゴールのないマラソンのようなものです。たどり着きたいと思っていたところとは違うところについてしまったり、路頭に迷ってしまうこともあるかもしれません。そうならないよう、自分の目的地を把握し、そこまでの道のりをしっかりと理解し進むこと、そうすることで自分をよりコントロールすることができますし、失敗したときにも違う道を進むことにつながるかもしれません。今いる場所を理解し、進むべき道を進めるように、より自分を掘り下げて知ってみましょう!
今の自分の状態は今までの自らの経験や周りの環境が大きく影響します。もしかしたら思いだしたくない経験も含まれるかもしれません。大切なのは、どんな自分でもOKであるということです。欠点と思うところも、忘れたい出来事も、避けたいこと、無くしたいこととして評価するのではなく、自分を構成する一つの要素であると捉えてみましょう。起こった出来事を変えることはできません。変えられるのは自分の思考です。
このように、自分の特性を理解しスタンドポイントを把握するこれらの作業はヨガのアーサナの練習をするときもいい練習の機会になります。アーサナをとる上で体の状態を理解しましょう。柔軟性が高いからいい、低いから悪いという評価ではなくどんな状態でも特性としてとらえましょう。その状態に合わせてどのように体を動かしていけばより快適で安定したアーサナになるのかを自ら導き出していくのです。また注意深く自分の感覚に意識を向けることで自分のスタンドポイントの理解にもつながります。今何を感じているのか、どのようなマインドの状態なのかに意識を集中しましょう。
マットの上でもマットの外でもすべてはリンクしています。ヨガを通じてより心地よい生活ができますように。ひとつひとつ実践を積んでいきましょう!
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