インストラクターとして活動していると、いろいろな問題が目の前に現れます。集客、レッスンの満足度、お客様対応、お給料など考えなければいけないことがたくさんあります。いつでもうまくいくとは限りませんから、そうでないときはどうしたらいいか途方に暮れてしまう時もありますね。また、同じスタジオの人気インストラクターと自分を比べて劣等感を感じてみたり、SNSで同期の活躍を見て焦りを感じたり、レッスン後のお客様の顔を見て満足してもらえたかな…とやきもきしたことはありませんか?「ヨガは人と比べる必要はありません」とお客様には伝えているのに、自分自身が誰かと比べてしまっている、そしてそれで苦しい思いをすることはよくある話です。私にももちろん経験があり、思い悩む日々を送ったことがあります。そんな時は自分に自信を無くし、自分らしさが失われてしまい、毎日の生活も楽しく送ることが難しくなってしまいます。
では、どうやって自分らしくヨガを伝えることができるでしょうか?
まずは自分がなぜヨガを伝えたいのか、ヨガで何を伝えたいのかを思いだしてみましょう。初めのうちは熱い思いをもって勉強をしますが、慣れてきてしまうとその思いを忘れてしまいがちです。初心を思いだして、自分の中のヨガの意味を考えてみましょう。次に、それを自分の体験や言葉を使って相手に伝えることを意識してみてください。“うまく”レッスンをしようとして進行やプログラムだけで頭がいっぱいになってしまうことがあると思いますが、果たしてそれは本当に伝えたいことで、また相手にも伝わるものでしょうか?言葉の端々には思いがにじみ出ます。熱意のある言葉は相手にも伝わりますし、逆もしかりです。自分の伝えたいことを織り込んで相手に伝えてみましょう。もちろんすべてが相手に気に入ってもらえることはないでしょう。それは仕方のないことです。ですが、相手に気に入ってもらえることだけを気にして自分を無視したレッスンをするよりも、自分の思いを熱意をもって伝えた方がやっていて楽しいです。レッスンを楽しんでいる様子はお客様にも伝わりますし、それがあなたの個性にもつながります。それでもし相手に気に入ってもらえたら、願ったりかなったりですね。
そして一番大切なのは自分の軸をしっかり持つことです。誰かに気に入ってもらうために自分をつくったり、他人と比べて自分を評価したりするのではなく、自分がどうしたいか、自分はヨガで何を伝えたいのかをいつでも軸として持っていてください。それは一人一人違うはずです。残念ながら十人いれば十通りの好みがあるように、それをすべての人に気に入ってもらうことはできません。みんなから好かれる誰かの真似をしてもその人にはなれません。いい意味で“諦める”ことが大切です。今までの体験や考えは誰と同じものではなく、それ自体にとても価値のあるものです。そこに気づきましょう。ヨガは生きることそのものです。あなたの経験や、日々の生活そのものがあなたのヨガとして、言葉の端々にきっとにじみ出てくるでしょう。そのために、自分のことももっと深く掘り下げて見つめてください。自分をより知ることで、自分が進むべき道も見えてくるはずです。自分らしくその道を歩いていきましょう。それはきっと楽しい道のりになるでしょう!
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